中学受験の国語の問題は設問を先に読んではいけない理由を家庭教師視点でお伝えします。
こんにちは。個人契約の家庭教師として、中学受験生の国語を指導しているジャケット先生です。今回は中学受験の国語の問題は設問を先に読んではいけない理由をテーマに記事を書いていこうと思います。
少々刺激的なタイトルになってしまいましたが、中学受験の国語の参考書や勉強法が書いてある本などでは、「中学受験では設問を先に読むべき」という意見と、「本文を一通り読んでから問題に取り掛かるべき」という意見がしばしば語られています。
これは国語指導の専門家によっても意見の分かれるところで、
まずは、設問先チームと本文先チームそれぞれの主張について見ていこうと思います。
設問を先に読む派の主張
「中学受験の国語は設問から先に読むべき!」という主張は、中学受験の国語の問題量が40~50分という試験時間で読む分量としてはかなり厳しい事から出ています。設問を先に読むことで、解答に不要な無駄なところは読まず、限られた時間を有効に使おうという考え方です。本文を精読していたら、とてもじゃないけど時間が足りないというわけです。
本文を一通り読んでから問題に取り掛かる派の主張
一方、「本文を先に読んで重要な箇所に線を引いてから問題に取り掛かるべき!」というのが本文先読み派の主張です。設問を先に読んでしまうと、設問の傍線部近辺の「答えらしい」ところを探す事に終始するクセが身についてしまう上、内容把握がほとんど出来ていないため、問題作成者の「これで間違えさせよう」という罠に簡単に引っかかってしまうのを防ぐという考え方です。
重要な箇所に線を引くことで、いざ問題を解く解きにどこを見直すべきか分かりやすいとも言っています。
うーむ。もっともだ!でも・・・
二つの意見とも主張している事はもっともです。確かに中学受験の国語は試験時間に余裕がなく少しでも時間を上手に使いたいし、かといって、傍線部の近くばかりを見る癖がつくと本文の内容はほとんど正確につかめません。
でも、それぞれの考えともデメリットがありますよね。
まず、設問から読んで無駄なところは読まない方法だと、中堅以上の学校の抜き出し問題がガタガタになります。なぜなら、抜き出し問題は傍線部の近くに答えがない事も多いからです。しかも、本文の内容把握が弱いですから、正しいものを抜き出そうとすると結局本文を精読しなければいけなくなってしまいます。
そして、本文を一通り読む派の主張では段落分けとか、重要なところに線を引いていく事で設問に取り掛かった時にあちこち見直す必要がなくなる(答えの書いてあるところが把握しやすくなる)と言っています。その通りです。
大人ならね。
でも、小学生にそんな効果的な線引きはなかなか身につかないんですよ。だから、本文を一通り読んで線を引いたけど、「国語の専門家から見る正しい線引き」は出来ていないという状況になります。時間をかけた割に正解にはたどり着かない。
結局、どちらの方法も大人の専門家による理想論なんですよ。小学生には難しい。
じゃあ、どうすればいいか?
私の方法はオーソドックスだと思うんですが、国語の専門家は誰もこのやり方を勧めないのでオーソドックスじゃないんですかね(汗)?それとも、受験本を売りたいからみなさん色々な方法論を語っているだけ?
私が教える場合は、最初から本文を読んでいって、傍線部を見つけたら問題を見る。内容を把握しながら出てきた設問に都度対処する。これが小学生にとって一番自然で無理がない方法だと思います。もちろん線も引きます。
ただし、線の引き方と段落分けに少しコツがあります。で、力を入れない部分はすごくあっさり読みます。力を入れないでいい部分って、接続詞をみることでほぼわかるんですよ。なので、ここで時間を節約していきます。
そして、抜き出し問題は傍線部の近くに解答がない事が多いという事も伝えているので、「パッと見答えっぽい部分」に簡単に引っかかる事もありません。
だいたい、いちど読み通した文の内容を後から振り返るなんて、いくら線を引いたところで小学生に出来るわけありませんし、かといって傍線部の近くばかり読んでも、点数が取れないのも事実です。
だから、私は本文を読みながら、同時進行で設問を解いていく形を推奨していますし、実際そのように指導しています。
今回は以上です。今回のテーマは中学受験の国語の問題は設問を先に読んではいけない理由でした。参考になれば幸いです。