啓明舎のテキスト読解の応用について
中学受験生の国語の指導においては、私のオリジナルプリントを使うこともありますが、基本的にはご家庭からの要望で塾のテキストを使うケースが大半となります。塾のテキストはそれぞれの塾の考えや方針が反映されていて、とても興味深いものです。
今回は啓明舎のテキストである読解の応用について触れてみたいと思います。
読解の応用の難易度は?
読解の応用は本編の問題と時折出てくる分野別ワンポイント講座の二本立てで構成されています。問題文自体は頻出のテーマを厳選して収録してあり、興味深く読める文章を集めているように思います。しかし、
問題自体はどちらかというと記述よりです。難関校以上を意識しているテキストだと思います。接続詞を選ばせる問題ですら、適当に答えるとガタガタになるような問題であり、しっかりした理解が求められる良問です。記述は複数の条件が与えられている事が多く、記述慣れしていないと満足に文字を書くことも出来ないと思われます。
読解の応用のメリット
前述したように、比較的点数がとりやすいはずである接続詞の問題でさえ、理解が進んでいないと取りこぼすようになっているなど、使いこなせれば分厚い国語力が身につくテキストです。正誤問題なども紛らわしい選択肢が多く、入試問題の練習にはうってつけだと思います。
問題の合間に出てくる分野別ワンポイント講座および本文の解説ともにあっさりしすぎることなく、かといって文字量も多すぎず使いやすいと思います。
読解の応用のデメリット
内容的には難関校を意識した作りになっているため、本文というよりも設問の難度が高いです。記述問題に関してはすぐにでも入試で使えるようなレベルのものも多く、国語が苦手なお子様の場合、空白になってしまう事も多いと思います。これで国語嫌いが助長されてしまう可能性がありそうです。しかし、前述したように記述問題は入試レベルなので、受験期までは出来なくてもさほど気にする必要は無いと思います。最後に一つ気になる点としては、文法問題への取り組みが他塾に比べるとやや弱い気がします。
読解の応用は記述問題の難度がかなり高いですが、その他の問題もしっかり本文を読み込まないと正答にたどり着けない良問ぞろいです。まずはこのレベルの問題で安定して正解を重ねていけるようになれば、過去問にとりかかる準備が出来たと考えて良いと思いますので、そういった意味では良いペースメーカーと考えられる気がします。